そろそろ都会は疲れたから移住したいなぁ、と思っている方のなかでも北海道は憧れの移住候補の一つですよね。
北海道、と一口に言っても196万人都市の札幌と人口1万人以下の町では、違う国かと思うほど生活の便利さ、流れる時間の速さは変わります。
私は北海道出身で、大学で東京へ。就職で北海道にUターンし、出身地より田舎の十勝地方へ道内間移住、ローカル町旅行が趣味。
田舎暮らしブログを運営していることもあり、179市町村の移住支援や子育て支援を個人的点数にして採点。
実際に行ってここ住んでみたいなぁと思った町を中心に、行政の移住対策なども比較していきます。
個人の好みもあるので偏りはありますが、意見のうちの1つとして参考にしてもらえると嬉しいです。
今回まとめる北海道移住におすすめ地方は【のんびり田舎編】です。
北海道には現在179市町村。道外に住んでいる人にとって馴染みのない地域にも、住みよい魅力的な町が実はたくさんあります。
北海道移住のおすすめ地域10選【のんびり田舎町編】
三笠市

最近、若者の移住対策も手厚いことで北海道ローカルで移住推進のCMも流している空知郡の三笠市。
札幌市街地から車で1時間ほどの距離で程よく近く便利、人口は8000人ほどと市としては小さな規模。
冬にわかさぎ釣りもできる桂沢湖、カヌーの大会が行われることもある幾春別川など自然もすぐ近くにありアウトドア好きにももってこいです。
移住に対する制度も手厚く、移住者が新たに持ち家を持つ場合は住宅建設等費用助成事業、賃貸の場合は若者移住定住促進家賃助成事業の助成金を受けることができます。
これは他の町に比べ期間も長く、金額も多いです。
子育て世帯のサポートが手厚いのはもちろんですが、単身者にも優しいのが魅力。
さらに子育て支援も手厚く、子どもの医療費助成事業(自己負担分医療費をみかさ共通商品券と引換えることができる)、紙おむつ購入費用助成、小学生の給食費無償化など助成を受けることが可能。
ちなみに日本海側なので雪が重くて多く、大変そうな雪かきの様子も知人SNSで度々見られます。
長沼町

札幌と千歳のほぼ中間に位置する町ながら、ゆたかな田園風景が広がる長沼町。
札幌からは車で1時間ほどの距離で、人口は1.1万人ほどです。新千歳空港から近いのも魅力です。
長沼町は道内でも有数の米どころで、お米が美味しいのはもちろんですがジンギスカンやソフトクリームでも有名。
道の駅の直売野菜も人気でいつも賑わっています。ゴルフ場、スキー場、キャンプ場など観光スポットもあります。
農業が盛んな長沼。
就農支援制度もあることから移住し農業をはじめ、その美味しい野菜を使い景観を生かしたカフェを併設というような移住者の体験談もありました。
移住して農業をしたいなと考えている人にとって、移住候補に良い町だと思います。
移住に関わらず住まいに関しては、町内就業者定住促進家賃助成事業、住宅リフォーム助成事業などを使用することができます。
子育てに関しては、出産祝金制度、チャイルドシート購入費助成制度、高校生まで医療費無料の助成があります。
三笠市、長沼町のある空知地方は移住支援対策が非常に充実しています。
中でも移住支援の手厚い町の支援情報をこちらでまとめています。
東川町

最近、若者が活躍し移住にも力を入れている東川町。
全国ネットのテレビで見る日も度々あります。
北海道の真ん中あたり、旭川から車で15分、旭川空港からも車で15分ほどと利便性も抜群。
登山やバックカントリースキーの聖地、大雪山旭岳の麓にある人口8000人ほどの町です。
何と言ってもその魅力はその自然と、自然から生み出される水です。東川町は北海道でも唯一の上水道のない町。旭岳の雪融け水を地下から引いている、「蛇口からミネラルウォーター町」なのです!(最近知って驚きました)
もちろん上水道代は無料です。
その景観の素晴らしさから「写真の町」として町おこしを長年行っておりイベントなども多数行っています。
田舎町にありがちなシャッター街や過疎感がなく、古い建物の内装をリノベーションしたおしゃれなカフェも多く、休日も町内から出ずとも楽しめる町だな〜と感じました。
東川は移住者ウェルカムな町。
移住者世帯に東川町のお米「ななつぼし」をプレゼントする「WELCOME(ウエルコメ)事業」などユニークな支援制度も。
子育て支援は0歳から15歳の子にかかる入通院代を全額助成する子ども医療費助成制度、東川で生まれた赤ちゃんに東川の工房で作った木製の椅子を贈る「君の椅子」プロジェクト、100日の写真を町内の写真館で無料で利用できる100日祝い記念写真など写真の町ならではの助成も。
現在は移住者が多く、賃貸物件などはあまり空きがなく、出てもすぐに埋まってしまう状態だそう。
新規で家を建築する予定がある人は東川町への移住も検討してみてください。
中富良野町

年間約100万人の観光客が訪れるラベンダーの町として有名な中富良野町。人口は5000人ほどで、観光地でありながらも町の雰囲気はのどかなまま。
隣の富良野市は第二のニセコと言われるほど訪日観光客が増え、一部のエリアでは地価も高騰し海外の企業にも買われはじめていますが、みている限り中富良野町はラベンダー畑を除けばまだのんびりモードです。
中富良野町は農業も盛んな土地で、メロン、玉ねぎ、アスパラ、じゃがいも、スイートコーンや、クリーン米などが生産され、北海道らしい味覚がすぐそばにある町。
この辺のものは本当に何を食べても美味しいです。
隣の上富良野町には大雪山十勝岳があり、十勝岳温泉から見る紅葉も絶品。

住宅への支援はは新築住宅を取得した方に、補助金100万円、また、子育て助成制度は、中学校卒業までの医療費無料、子育て世帯に対し月15,000円の家賃の補助、チャイルドシートの購入やリース時に上限額1万円を補助。
幼稚園の保育料の一部補助や、大学等の奨学資金の貸付・高校への通学交通費の補助などの支援があります。
新得町

NHKの朝ドラ「なつぞら」のロケ地にもなった新得町。
人口6000人、帯広から1時間ほどの町です。
特産はそば、町内にはチーズ作りで有名な共同学舎新得農場、サホロリゾート、大雪山トムラウシ温泉など知る人ぞ知る観光地も。
春にはサホロ川沿い、新得神社の桜が綺麗に咲き、夏は規模が大きいにも関わらず混まない花火大会、秋には新そば、冬はサラサラのパウダースノーと四季の魅力たっぷりの町。
サホロ湖でのカヌー、十勝川でのラフティング、冬にはスキーとアウトドアアクティビティ好きにもおすすめの町です。
住宅への支援は、持ち家を新たに建てた場合に「お祝い金」と3年間「固定資産税相当分」を助成する持家等住宅建築促進制度、町内の空き家を購入し改修を行う場合に奨励金を交付する空き家活用促進制度があります。
子育て世帯への支援は、出産祝金(第1子及び第2子 10万円、第5子以降はなんと100万円!)、新得町内の小学校・中学校・高等学校に在籍する児童のスポーツ大会参加費助成、文化活動における全道・全国規模のコンクール等への参加者及び引率者に対し、交通費、宿泊費及び参加料を助成する文化活動におけるコンクール等参加費助成もあります。
これは元アスリートの私から言うと最高の制度。大会参加費バカにならないからね…。
上士幌町

十勝地方北部、帯広から車で50分の人口5000人のまちの上士幌町。
糠平温泉郷、日本一広い公共育成牧場のナイタイ高原牧場、北海道遺産旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群などがある道内のニッチな観光地です。
乳牛の飼育頭数は全国トップクラスで34,000頭と、乳牛・肉牛を合わせると人口の約6.8倍!農作物はじゃがいも、ビート(甜菜)、大豆や小豆、小麦、野菜などが特産物です。
2020年に新しい道の駅も出来て、町のコミュニティスペースも増えました。(道の駅はじゃらん道の駅ランキング1位獲得!)
町内にあるぬかびら温泉は道内最低気温もよく記録するとても寒いところ。
上士幌は寒さは厳しいですが雪の量はそれほど多くないので日本海側に比べて雪かきはそれほど大変ではないかな、と言う印象。
上士幌町は子育て支援に力を入れている町。高校までの医療費無料、幼稚園・保育園は無料です。これは共働き子育て世代にはとてもありがたい制度。
また、住宅を新築した場合100万円の助成、テレワークを行う住居兼オフィスの家賃・光熱水費・インターネット通信費を、最大1年間無料とします。
コロナ禍の今、とても嬉しい助成です。行政の制度づくりも、時代に合わせるのがとてもはやいですよね。
鹿追町

鹿追町は、人口5000人、十勝平野の北西部に位置する帯広から車で45分ほどの町です。
神秘の湖と言われる然別湖や、秘湯かんの温泉がある町(この「かんの温泉」私北海道で一番好きな温泉です)。小さな町ながら2箇所もの美術館があります。
鹿追には広大な土地を生かした絵本に出てくるような草原にぽつんとたつカフェやレストランもあり、行くたびにお洒落だなぁと思う町です。
道の駅に野菜の直売所もあり、町から少し行った養鶏場には新鮮たまごの自販機も!食べ物も美味しく私も好きな町の一つ。

住宅支援は定住促進住宅建設奨励制度で最大100万円、子育て支援の一環として乳幼児等医療費の助成、18歳までの医療費の助成があります。
大樹町

農業を中心に漁業、林業を基幹産業として発展し、最近ではロケットのまちでもある十勝の大樹町。
人口は5000人ほどの町です。帯広まで車で1時間、帯広空港まで40分と利便性もそこまで悪くありません。
宇宙のまちづくり(「航空宇宙産業基地」の候補地)に取り組む町の歩みを、近くで見れるのも良いなぁと思います。
十勝は内陸の町が多いですが、大樹町は海に面しているので新鮮な海産物も手に入ります。
日高方面にも釣りのポイントは多いので、十勝に住みたい、釣り場は近い方が良いなんて人にもおすすめです。
住宅支援には、住宅をリフォームする際に最大22万円の補助金を交付する大樹町住宅リフォーム支援事業、子育て支援には町内に暮らす中学校卒業までの乳幼児および児童を対象とし、医療費自己負担額の全額を助成する「乳幼児および児童医療費助成」があります。
洞爺湖町

洞爺湖、有珠山、噴火湾と自然に囲まれる洞爺湖町。
北海道有数の観光温泉地、洞爺湖温泉のある町です。人口は8500人ほど、札幌までは車で2時間、新千歳空港までは1時間半かかります。
噴火湾は美味しい海産物がたくさん!釣りにも最高、美味しいご飯屋さんもたくさん、ホタテがめちゃくちゃ美味しい。
もちろん温泉は選び放題なほどたくさんの日帰り温泉施設があります。
住むエリアによって、海が見える、湖が見える、山が見えると好みの景観が見つかるはずです。
住宅支援は、一定の基準を満たす「長期優良住宅」を新築した場合5年間の固定資産税額が2分の1に減額。
子育て支援は、15歳(中学生)までを対象に医療費を全額助成、保育料の一律半額、乳幼児(6歳未満)を対象にチャイルドシートを貸し出しがあります。
弟子屈町

道東でここ住みたい!と思った一番の町、弟子屈町。
人口7000人、摩周湖や屈斜路湖があり、自然景観にも恵まれています。
観光地にもなっている硫黄山の麓には川湯温泉があり、北海道でも数少ない強酸性の温泉が楽しめます。
釧路からも1時間15分と決して近くはありませんが、町にもスーパー、コンビニ、ホームセンター、ドラッグストアなど生活に必要なものは手に入ります。
冷涼な気候を活かして、大規模酪農と、馬鈴薯(ジャガイモ)・小麦・てん菜・そばなどの畑作農業が盛んです。
また、屈斜路湖の周りにはキャンプ場も多く、そのうち砂湯キャンプ場はその名の通り、砂場をほったら温泉が出ます。
町の看板の広告にも「温泉掘ります」の文字がある夢のような場所です。
住宅建築と定住の促進、地域の振興を目的に、住宅の新築・増改築・リフォームに要する費用の一部を助成する事業、子育て支援には、子育て応援医療費還元事業、保育料の助成などがあります。
移住先を真剣に探すなら仕事のことも【関連記事】
田舎に移住する際、最も気になるのが仕事のこと。
田舎ならではの第一次産業に従事したい!と思っている方はたくさん仕事がありますが、オフィスで頭を使う仕事がしたい方や、体を動かしたりするのが苦手な方もいますよね。
それに、せっかく田舎に移住したならライフワークバランスをとれた仕事を探したいです。
リモート求人
専門的なスキルが無くても、フルリモートで正社員を目指せる求人が載っている【ReWorks(リワークス)】というサービスがあります。
今までの経歴を生かした仕事や、まったく異業種でも採用してくれるような求人が多数掲載されています。
札幌通勤可能な場所に住む
今までのキャリアを生かしながら、休日はのんびり田舎で暮らしたい。
そんな方は札幌に通勤可能な田舎町に住むのがおすすめです。
意外と周辺には田園風景広がる田舎町が多いんですよ。
それから、北海道移住に失敗しないために、雪のことについては知っておくと良いと思います。
移住した先でまず探さなくてはいけないのは家と仕事。
仕事は移住支援策を活用すれば、助成金がもらえたりもします。
我が家は賃貸で一軒家を借りているのですが、家賃は4万と破格です。
地域差はあると思いますが、こんな家探しの方法もあります。
終わりに
道民でも行ったことのない町、道外の方なら聞いたことのない町もあったでしょうか。
一口に北海道移住といっても、気候や雪の多さ、利便性などが全く異なります。
ここに挙げた町もほんの一部。北海道には179の市町村があり、その特徴はそれぞれ異なります。
たくさんの選択肢があるので、最良の選択をしていただければ幸いです!
また、こちらに記載している行政の助成金に関しては2021年1月現在のものです。
それぞれ条件や変更、網羅しきれていないものもあると思いますので、詳しくは各行政ホームページを参考にしてください。
それではまた!