「田舎」という言葉はとても抽象的です。
人によってどのくらいの「田舎」を指しているのか、かなりばらつきがあるものだと思います。
実際に北海道の田舎と検索しても「札幌市」が表示されたり、人口3,000人の町が紹介されていることもあります。
移住を希望している人と話しても「田舎に住みたい」の一言ではどのような生活をしたいのかを図ることはできません。
そこで田舎暮らしブログを運営しており、生まれてから今まで様々な田舎レベルに住んだ筆者が「田舎レベル」を定義してみることにしました。
漠然と田舎暮らしに憧れを抱いているけれど、移住先の決め方が良くわからない、どんな場所に住むべきなのかわからない方、良ければお付き合いください。
田舎レベルを定義します
ここからは田舎レベルを1~5に分け説明していきます。
自治体の人口を目安にしていますが、隣り合っている町の発展度や距離も住みやすさには関係してきます。あくまで目安としてご覧ください。
田舎レベル1「地方都市」
「田舎レベル1」は地方都市レベルの場所。北海道で例えるなら「札幌」です。
田舎民の中では余裕で都会ですが、都内から引っ越してくるとちょうどいい田舎と感じるかもしれません。
- 最新のテクノロジーやファッションは全てではないが程よく手に入る
- 公共交通機関が発達しており、車がなくても生活ができる
- 必要な専門病院、総合病院がある
- 流行りのチェーン店が進出している
- どんな学力でも学校の選択肢がある
- 職業の選択肢は東京まではいかないが広い
基本的に生活や仕事、子育てには困ることがないのが田舎レベル1です。
通勤ラッシュなども都心に比べると緩和され、一段ゆっくり時間が流れているように感じるかもしれません。
ちなみに、家賃が高くなりがちな都市部ですが競争原理が上手く働いている結果なのか、札幌市の家賃は1LDKで5万円台が多く、安めです。
田舎レベル2「人口10万人以上都市」
「田舎レベル2」は人口10万人以上都市、地方都市の隣町。
北海道で言うなら人口10万人以上都市は、「旭川」、「函館」、「釧路」、「苫小牧」、「帯広」、「小樽」「北見」、「江別」あたり。
- 公共交通機関もあるが、車があったほうが便利。(ほとんどの家庭で所持)
- 買い物、娯楽も物足りなさはあるものの生活に必要な物は揃っている
- 総合病院、専門病院がある。しかし大きい手術などは札幌までいかないといけないことも
- チェーン店はイメージ的にはスターバックスくらいまでならある(ない都市もあります)
- 学力別に学校の選択肢はあるが、全てをカバーしきれない場合が多く高校から札幌に出る人も多い
- 職業の選択肢は狭まる(IT系求人などは少ない)
ちょっと田舎感が出てくるのはこの辺から。
暮らしに不便はないけれど、全てはカバーしきれない。
「足るを知る」マインドの人におすすめなのはこのくらいの田舎レベル。ただし、田舎を求めている方には中途半端でもある。
また子育てに関しては都会の人のイメージしている一般的な教育は、この辺でギリギリ許容できるか…ってところなので、学力や学校環境を気にされている親御さんはこのくらいの田舎レベルが限界かもしれません。
ちなみに筆者はこの田舎レベル2の地域で生まれ育っています。
田舎レベル3「人口1万人以上の町」
「田舎レベル3」は人口10万人以下1万人以上の都市。
道外の方が聞いてもわかりそうな町で言うと「千歳」「北広島」「富良野」「稚内」「網走」あたりです。
ここの人口幅が結構広いので説明が少し難しいのですが、近くにレベル1かレベル2の都市があるかどうかで生活の利便性が結構変わってくるのが実際です。
さきほど挙げた中で言うと「千歳」「北広島」は田舎レベル2寄りです。
田舎レベル3の都市はどんな生活になるかというと
- 大きなスーパー、イオン(のような地元のスーパー)、マックやそれに準ずるチェーンがあるくらいのレベルの都市
- 病院はあるが規模があまり大きくない(自分の住んでいる町で完結しないことも多い)
- 学校はあるが選択肢は少ない
世の中の人がイメージしているのんびり田舎暮らし感が少し出てくるのはこのレベル3くらいからです。
田舎とはいえ、ばらつきはありますがチェーン店がマックやすき屋、ほっともっと、山岡家なんかがぼちぼちあるのがレベル3ですので、何に特化している町なのかで移住先は決めやすいかもしれません。
このぐらいから小中学校が1学年1クラスの地域が増えてきます。
田舎でのんびり子育てしたいと考えている方には良いですが、学校によってかなり学力に差が出ますので「学力」的な教育を考えているのであれば親は少しフラストレーションがたまるかもしれません。
仕事の選択肢はだいぶ狭まってきます。
田舎レベル4「人口4,000人以上の町」
「田舎レベル4」は人口1万人以下、4,000人以上の町です。
この辺からは聞いてもわからない地名が多くなります。そして、誰が見ても「田舎」な場合が多いです。
- 不便であるが、生活はできる。ただし不便である。
- 町は基本賑わいがなく、かなり静かである
- スーパー、ガソリンスタンド、コンビニ、ホームセンター(小)これしかない場合もあり
- 小中学校は児童数が少なく、自治体内に高校が1校もない場合もある
筆者が現在住んでいるのがこのレベル4の地域です。
私の体感では生活を快適にできるのがギリギリここまでです。
周りの事は何も気にせず、のんびり田舎暮らしを体現するにはこのくらいの田舎レベルをおすすめします。(とはいえ近所付き合いのある地域もあります)
しかし本当に不便なので「なんでも自分でやるぞマインド」をお持ちの方のみおすすめです。
田舎レベル5(MAX)「人口4,000人以下の町」
「田舎レベル5」人口4,000人以下の町は立地によっては生活が大変になってきます。
地元のお店も高齢化と人口減少でバタバタ潰れていきます。
- コンビニが1件あればまだ良いほうです
- 小学校も1学年数人、1人だけもありえる
- 休みのたびに隣町まで買い出しがデフォルトになる
- 病院があれば良いほう、週に何日かあいていない診療所しかない場合も多い。
- 仕事は第一次産業が多いです
隣町がある程度大きく車で30分圏内だったり、人口が2,000人台くらいまではまだギリギリ生活できるかなと思いますが、1,000人くらいになってくると結構限界感があります。
自給自足できれば店があるとか気にしなくて良いのですが、このような地域への移住は明確な目的がない限りはおすすめはしません。
田舎レベルと老後の考察
ここまでの田舎レベルまとめを見て、なんとなくこのくらいが良いかな?というイメージはついたでしょうか。
これを書いている筆者は現在「田舎レベル4」の地域に住んでいます。
そろそろ30歳、子なし、配偶者あり。
今はこのままの生活が自分たちに合っていると思っているのですが、年齢を重ねるにつれて住む場所は変えたほうが良いと思っています。
この先、人口は減少し住みにくい地域は増えます
この先少子高齢化が進み、人口が減少します。これは確定事項です。
ただでさえ少ない子育て世帯は、教育のことを考え少し都市部に移動していくでしょう。
すると田舎町(レベル5のような)に関係する若者人口が減りUターンの移住者も期待できず、高齢者も介護サービスを求め都市部に移動。急速に人口が減少します。
多くのレベル5の町は限界集落と化すのは想像できますよね。
テクノロジーの発展次第とは思いますが、そういった場所にこれから長く住もうとは私は思えません。
この先、人間の寿命は延びます
私が老いていく頃、日本人の平均寿命は100歳近くになっているはずです。
そしてきっと「どこかしら健康に問題を抱えて過ごす期間」が人生の1/4くらいになるのでは、と考えています。
医療、テクノロジーが発展したとしても田舎レベル4,5の都市にいると「サービス利用対象外地域」になる可能性は高い。
だとしたら若いうちに田舎暮らしスキルと田舎暮らしマインドを持って、70歳手前でまだ体力あるうちに利便性の高い場所に移動するのもありなんじゃないかな、と考えています。
老後に田舎暮らししたい夢を持っている人も多いかもしれませんが、私はその逆です。
まとめ|自分に適した田舎レベルを考える
以上、まとめますと
- 目指すライフスタイルによって適する田舎レベルが違います
- 自分の理想の生活をまずはイメージしてあてはめて考える
- 生活やライフステージによって移動前提で考える
大切なのはみんながどうしているかじゃなくて、自分がどうしたいか。
何かヒントになれば幸いです。
田舎の物件探し
田舎暮らしの難しいところが、物件の探し方。空き家はたくさんあるように思えるのに、実際に不動産サイトに掲載されている物件は少ないんです。
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