鹿肉の調理は、普段食べている豚や牛、鳥と同じような調理方法だと思うように美味しく仕上がらないこともあります。
まずは、調理する前に鹿肉の特徴を知りましょう。
脂の融点が高い
動物の脂は不飽和脂肪酸含量が高いほど、融点が低い傾向があります。
そしてその脂の融点(脂の溶ける温度)が低いほど、いわゆる舌の上でとろけるような〜というような表現が使われる口当たりになります。
鹿肉を身近な肉と比べると、
鶏:30-32℃
豚:33-37℃
馬:30-43℃
牛:32-50℃(和牛は低く、輸入牛は高い)
羊:44-55℃
鹿:55℃
かなり融点が高いのがわかります。融点が体温より高いと、口の中でも脂がとけません。
ジンギスカンをよく食べる道民ならわかりますが、羊の脂もタレに白く固まって浮きますよね。あれは、豚などに比べて脂の融点が高いからです。
鹿肉の脂の部分を食べる際は、焼いて時間がたたない高温のうちに口に入れる焼肉やジンギスカンなどの食べ方だと美味しく食べられます。
脂身が好きな人もいますが、私は大体は取り除いてしまいます
高温での調理は硬くなりやすい
鹿肉は赤身のお肉なので、普段食べ慣れている脂の乗っている牛肉や豚肉と同じような調理方法で食べようとすると「硬い」と感じる方も多いでしょう。
お肉に含まれるタンパク質は、加熱を始め60℃付近までは温度が高くなる程、食べやすい柔らかさに近づいていき、65℃を超えると急激に硬くなってきます。
脂の多いサシの入ったお肉だと火の通り具合が少しいい加減でも、繊維の間に脂があるので柔らかく感じますが、赤身の肉はそうはいきません。
赤身の肉は赤身肉に適した調理方があります。
筋膜やスジは取り除く
お肉を貰ってきた場合、買ってくるパックされたお肉とは違ってスジや筋膜、脂もそのまま付いていることが多いです。
筋膜やスジが付いたままだと、部分的に硬くなったり、お肉が縮んだりします。
特にステーキやローストなど焼いて食べる場合は取り除きましょう。
煮込む場合はあまり神経質にならなくても大丈夫。
また、上述の通り焼肉やジンギスカンとして食べる以外は脂身も綺麗に取り除くことを個人的にはお勧めします。
味に個体差がある
本来、新鮮で適切な処理をされた鹿肉はあまり臭くありません。
しかし、高齢のオスはにおいがきつかったり、個体血抜きが十分でない肉、鉄砲で撃たれてから走った鹿の肉は血が残り臭いがきつくなる傾向にあります。
その場合は、ショウガやネギなど臭みを消すものと一緒に調理したり、塩水漬けもしくは醤油につけて水分と一緒に血を抜いてしまいましょう。
まとめ|鹿肉の特徴
以上、まとめると鹿の特徴はこんな感じです。
この鹿肉の特徴を踏まえ、我が家での鹿肉料理の定番をまとめました。
鹿肉の調理方法にお困りの方はぜひご覧ください。