鹿肉が臭いと言われるのはなぜか、臭くない肉とその差を考察する

狩猟

こんにちは、ぐりゆうです。

猟師さんからいただいたお肉が美味しかったことがきっかけで、狩猟をしている主婦です。

鹿肉って、獣臭いイメージがあると思いますが、私のイメージではそんなことはありません。

ただ一方で「もらったお肉を食べたけどくさくて食べれなかった」みたいな話を聞くことが少なくないのは何故なのか。

本記事は私個人の考察ですが、くさいと感じるお肉の背景を考察していきたいと思います。

主に鹿の獣くささの原因は

  • 個体の性別と年齢
  • 不適切な処理

にあると思っています。

どんなお肉も、若いほど柔らかいし癖がない

一般的な人は、お肉は肉屋さんやスーパーでさばかれた状態で買いますから、消費者はその個体が何歳なのかあまり考えて買うこともありません。

例えば鶏肉でいうと普段食べている鶏肉はヒナです。

鶏にはブロイラーと地鶏があり、多くは生育期間を短く改良したブロイラー。若鶏とも言われ、小型なら約7週間、大型なら約8週間で出荷されます。

マルイ農協グループ:https://ajmic.or.jp/oniclub/book/todokuamade.pdf

工業的に生産されているお肉は長く飼えば飼うほど、飼料や場所のコストがかかりますから、食べられるサイズになったらなるべく早く出荷されます。

地域によっては親鳥を食べる文化があるところがあります。以前、香川県高松市に旅行に行った際名物の骨付きどりを食べました。

『ひな』『おや』という2種類のメニューがあり、食べ比べたところ『ひな』は食べ慣れたやわらかい鶏肉でしたが、『おや』は小さく切らなければ飲み込めないような歯ごたえがあり、肉の色も濃く、肉の味もしっかり濃かったという印象があります。


鹿肉も解体していると、小鹿と立派な角の生えている大人のオス鹿では『お肉自体の色』が全く違います。

年齢のある程度いったオス鹿は黒っぽい赤身の濃い(場合によっては黒っぽい)色をしていますが、子鹿の肉は豚肉のようなピンクっぽい色をしているのです。

味も大人のオス鹿はいかにもジビエ味が強い。レバーなどもかなり癖の強い味です。肉も硬くなります。

しかし小鹿は、言われければ何の肉かわからないほど優しい味で、かつびっくりするほど柔らかい。


好き嫌いはあるでしょうが、食べ慣れていない人(特に”クセがなくて美味しい”と感じる日本人)が美味しいと感じるのは圧倒的に小鹿なのではと思います。

猟師は大きな獲物を狙う人が多いのかも

私は狩猟を始める前、2年ほど現在の師匠の猟に同行していました。猟に付いて行って実際に取れる鹿は、『大人のオス』が多い印象でした。

これにはいくつか理由があるのではないかとおもっています。

  • オスはツノがあり見つけやすい
  • オスは比較的単独、少数での行動が多いのでこちらが見つかりにくく狙いやすい
  • 角が売れるので価値が高いと思っているハンターが多い
  • 大きい個体のほうが可食部が多いので好んでとっている

オス鹿のほうがハンターにとって狙いやすく、魅力的な獲物なのかもしれません。単に偶然かもしれませんがね。

肉が臭くなる雑な処理とは

肉の匂いが強くなるもう一つの原因として挙げられているのが「雑菌の繁殖」です。

これを防ぐためには

  • 素早い血抜き
  • 内臓を早く出す
  • 肉を素早く冷やす

など素早い処理が求められます。

例えば気温の高い時期に長時間放置していたり、解体せず車に乗せたまま長時間走っていたりすると、においが出やすいのではないかなとおもいます。

私はスキーでの忍び猟がメインなので、捕獲後はどんどん獲物が冷えていくので、図らずとも雑菌が繁殖しにくい環境にあるのかもしれません。

結論|私が考える食べやすい鹿

猟期の冬、オス鹿は繁殖でパワーを使ったからなのか脂があまりない個体が多く、反対にメスは子供を産むために脂肪を蓄えている個体が多いです。

私が考える、食べやすい(クセの少ない鹿)は個体差で

(クセがない) 小鹿>メス>オス (クセがある)

の順なのではないかなと思っています。

今後ともそれぞれに適した食べ方を模索して行きたいと思っています。

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