鹿肉が臭いと言われるのはなぜか、臭くない肉を食べて真剣に考えた

狩猟

こんにちは、ぐりゆうです。

狩猟免許をとって、今年から猟に行く見習い猟師です。ここ3年くらい師匠と鹿の解体をしてきたこともあり、週1~3日の頻度で鹿肉を食べています。

鹿肉って、獣臭いイメージがあると思いますが、実際はそんなことはありません。

正しく血抜きすればそれほどにおいが気になる事はない。と、言われています。

ですが、思ったのです。

ここ3年、師匠が血抜きしたお肉をずっと食べていますが、抜群に柔らかく臭みのないおいしいお肉に当たるときがあるのです。反対にジビエ味が強いお肉もある。一体その差はなんなのか。

私がたてた仮説は以下。

『個体の年齢による』『若い鹿ほど臭みがなく、肉も柔らかくおいしい』

最初は気づきませんでしたが、それって当たり前ですよねって話なんです。

どんなお肉も、若いほど柔らかいし癖がない

一般的な人は、お肉は肉屋さんやスーパーでさばかれた状態で買いますから、消費者はその個体が何歳なのかは知りません。

例えば鶏肉でいうと普段食べている鶏肉はヒナです。

鶏にはブロイラーと地鶏があり、多くは生育期間を短く改良したブロイラー。若鶏とも言われ、小型なら約7週間、大型なら約8週間で出荷されます。

マルイ農協グループ:https://ajmic.or.jp/oniclub/book/todokuamade.pdf

工業的に生産されているお肉は長く飼えば飼うほど、飼料や場所のコストがかかりますから、食べられるサイズになったらなるべく早く出荷されるでしょう。

地域によっては親鳥を食べる文化があるところがあります。以前、香川県高松市に旅行に行った際名物の骨付きどりを食べました。

『おや』『ひな』という2種類のメニューがあり、食べ比べたところ『ひな』は食べ慣れた鶏肉でしたが、『おや』は小さく切らなければ飲み込めないような歯ごたえがあり、肉の色も濃く、肉の味もしっかり濃かったという印象があります。

鹿肉も解体していると、小鹿と立派な角の生えている大人のオス鹿では『お肉自体の色』が全く違います。

年齢のある程度いったオス鹿は黒っぽい赤身のいかにもジビエ的な色をしていますが、子鹿の肉は豚肉を彷彿とさせるピンクよりの色をしているのです。

味も大人のオス鹿はいかにもジビエ味が強い。レバーなどもかなり癖の強い味です。肉も焼きすぎると硬くなります。

しかし小鹿は、言われければ何の肉かわからないほど優しい味で、かつびっくりするほど柔らかい。

好き嫌いはあるでしょうが、食べ慣れていない人(特に”クセがなくて美味しい”と感じる日本人)が美味しいと感じるのは圧倒的に小鹿なのではと思います。

よく言われている、鹿の臭みは血抜きが悪い、雑菌が繁殖しているからという説は、正直体感ではわかりません。

同じ人が同じように解体している肉でも、これだけに味が違うということは処理が原因ではないと思うのです。

猟師は大きな獲物を狙う人が多いのかも

猟に付いて行って実際に取れる鹿は、『大人のオス』が多い印象です。

これにはいくつか理由があるのではないかとおもっています。

  • オスはツノがあり見つけやすい
  • オスは比較的単独、少数での行動が多いのでこちらが見つかりにくく狙いやすい
  • 単純に獲物が大きいので狙いやすい
  • 角が売れるので価値が高いと思っているハンターが多い
  • 大きい個体のほうが可食部が多いので好んでとっている

オス鹿のほうがハンターにとって狙いやすく、魅力的な獲物なのかもしれません。単に偶然かもしれませんがね。

結論|私が考える食べやすい鹿

猟期の冬、オス鹿は繁殖でパワーを使ったからなのか脂があまりない個体が多く、反対にメスは子供を産むために脂肪を蓄えている個体が多いです。

私が考える、食べやすい(クセの少ない鹿)は個体差で

(クセがない) 小鹿>メス>オス (クセがある)

の順なのではないかなと思っています。

今後ともそれぞれに適した食べ方を模索して行きたいと思っています。

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