こんにちは、ぐりゆうです。1年目の新米猟師です。
さて、狩猟を始めてのシーズンであった2022年度の狩猟期と有害駆除が終わって、やりたかったことが1つ叶いました。
それは、自分で捕獲したエゾ鹿の皮をなめし業者に出し、レザーにしてもらうこと。
銃を持つ前からずっと調べていて、どうやらセルフでは長持ちするものはうまくできなさそうなので、きちんとしたレザーにするなら業者さんに出すのが賢明だということがわかりました。
個人でもレザーになめしてもらえるサービス
今回、利用したサービスは「やさしい革」さんのMATAGIプロジェクトというもの。
個人でも、1枚からでも革のなめしを依頼できるサービスです。
このサービスを利用したのは、環境に最も配慮されている業者さんだと感じたから。
- ラテッセーなめし(ミモザ・アカシアの植物タンニンを使用)で工業排水のクロムゼロ
- 働く人の安全性の確保
- アニマルウェルフェアの観点を持っている
とってもエシカルな企業さんです。頼むなら絶対ここだ、と銃を持つ前からブックマークしていました。
なめし工賃は獣皮のサイズごとに異なり、鹿の場合は5500円〜7,700円。カラーも10色から選ぶことができます。
依頼主として登録した後、自分の依頼する革のサイズの商品をWEBショップで購入、決済。
その後、指定の住所に原皮を送ります。
(送る時の送料と、返送時の送料も別途かかります)
下処理の方法(高圧洗浄機)
※以下、ちょっとグロい画像なので苦手な方はご注意ください
発送前に、原皮は肉や脂を綺麗に剥なくてはいけません。
ナイフでやりきろうかと思ったのですが、あまりにも大変だったのでYoutubeなど参考に文明の利器に頼って高圧洗浄機を購入しました。
購入したのはアイリスオーヤマの12,000円くらいのもの。(ケルヒャー高い)
正直もう少しパワー欲しかったけど、ちゃんと脂と肉は剥がれて追加料金等もかかったりせず、なめしから無事返ってきたので良しとします。
ちなみに厳冬期だったのでプラス気温になる日がほとんどなく、作業が大変でした。
原皮を車庫に置いておいたが凍ってしまうし(何度も解凍してしまうとタンパク質が痛んで仕上がりが悪くなってしまうらしい)、高圧洗浄のあとも乾かそうにも凍る。
冬にやるには工夫しないといけないなと。。来季の課題です。
実際に出来上がった革(レザー)がこちら
待ちに待ったこの時…、発送して約1ヶ月。
思ったよりも早く、くるくると筒に巻かれた状態で返送していただきました。
ワクワクが止まりません。
筒から飛び出した端っこ、裏面はスエード生地のよう。すでにとても柔らかい。
開いてみると、改めて大きい個体だったんだなぁと。。。
穴が多いのはご愛嬌。師匠と一緒に皮剥ぎをしたことを思い出す仕上がりです。
手触りも柔らかく、軽くて、求めていた鹿革の仕上がりでした。
今回選んだカラーはキャメル。シボもめちゃくちゃいい感じ。
今後の革の活用について
今回は、皮剥ぎがうまくいかず、ナイフの穴の跡の多い皮革になってしまったのと、自分が1頭目にとった記念に生きた形のわかるレザーをそのまま残したい気持ちがあり(まだ初心者のレザークラフトに使う気にはなれない。。。)このままの姿のままインテリアにしようかなと思っています。
お肉も含め、余すことなく資源を使えたことで少しほっとした気持ちになりました。
有害駆除では報酬がでますが、その報酬を利用して皮を鞣し業者さんに鞣してもらって、またその革を余すことなく使う。
そうすることで人と自然との良い循環ができるなと考えましたので、行政からいただいたお金はそのように使わせてもらおうかなと思っています。
たくさんとって、たくさん製品にしたいとか、そういった想いは今の私にはないので自分の身の回りから循環させていきたいです。
今年来年あたりはレザークラフト趣味にして自分の身の回りのもの色々作るぞ〜