SUZURI辞めます【個人プロデュース時代のアパレルについて】

SUZURI

このブログを読んでくれている人は、『SUZURI』についての検索からの人も多いと思います。

私がSUZURIを始めたのは2年前くらいでしょうか。

自分にとっても【成功体験】【行動してみよう】とおもう源にもなった貴重な体験で、やってみてよかったなと思っています

だけど、やっていく中で自分の中に生じた矛盾もあって考えが変わったので、SUZURIで商品を出すのを辞めることにしました

具体的には、 アパレルの大量廃棄問題に加担することになると思ったから。

「だから何だよ」と思うかもしれないけれど自分にとっては大切なことなので書きます。

これからSUZURIを始めようと思っている人、すでにやっている人にはぜひ最後まで読んでほしいです。

【まず】SUZURIをやってよかったと思ったこと

SUZURIをやってよかった、と思うことはたくさんあります。

  • 初めての小さなビジネスの成功体験になった
  • 思ったより買ってくれる人がいて自信につながった
  • 発想が自由になった
  • 応援してくれる人が身近に感じられた

会社員しかしたことのなかった自分は、商品を売るという経験がありませんでした

あったのは『メルカリ』の自分が着古した服の販売経験くらい。

でも、初めてでもメルカリでさえ売れると嬉しいじゃないですか。

SUZURIでは自分が考えたデザインの商品が売れるんです。

『自分が考えたデザインの商品を誰かが買ってくれる喜んでくれる人がいる

そんな経験は自分にとって初めてでした。

それが大きな自信になり『こんなこと、やってみたらどうだろう?』と考えることが増えて、実際に踏み出してみることも増えました。

なぜSUZURIを辞めようと思ったのか【より多く売るに感じたこと】

そんなSUZURIをなぜ辞めようとおもったのか、というと自己矛盾を感じてしまったからです。

  • アパレル廃棄問題に加担している感
  • マーケティングで煽るのがつらい

『アパレル』と言えるほど大きな事業ではないですが、目標が『より多く売る事』となると、やることも一般的なアパレルショップと同じようになります。

  • 定期的に新作アイテムを投入
  • 宣伝をし続ける
  • 自分も買う

たくさん売るためには、作り続けなくてはいけない

SUZURIでは作ると言っても受注生産なので、私の見える範囲からは実際の廃棄は出ません。(廃棄が出ないのも完全受注生産のSUZURIを始めたきっかけでもありました)

しかし、だからといって、大アパレル消費時代にこれ自分もやっていいのだろうか?と考えた時、答えはNOだと思いました

個人クリエイター時代のアパレル商品

アパレルブランドを出す!というのは私がティーンの頃の憧れでもありました。

当時は雑誌の表紙を飾るようなトップモデルが、『夢だったアパレルブランドを立ち上げました!』と言っているような時代でした。

SNSが発達して個人が力を持った今では、

  • Youtuber
  • SNSインフルエンサー
  • アイドル
  • スポーツ選手
  • その他個人

でも、簡単に商品が作れるプラットフォームが存在する時代。

消費者はすでに生活に必要な物はそろっていて、商品にストーリー性がないと実際の消費行動に結びつかない。

だから大きなブランドとして売るより、そこに個人のストーリーという付加価値を付けたほうが【売れる】というわけで。

今のマーケティング手法のメインが、プロセス含んだものになってきているんでしょう。

我々SUZURIクリエイターもこの渦の中の1歯車になっているにすぎないのです。

もちろん、やりたかったことができるのは素晴らしいことだと思います。

この本、わかりやすかったです。

世界でのアパレル廃棄やその他の問題について

近年、SDGsに関心が集まっていますが、その中でもアパレル産業をどうするかというのは重要なことだと思っています。

  • 日本では年間10億着の新品の衣類が廃棄されている
  • 世界では毎秒トラック1台分(2.6t)の衣類が焼却または埋め立てられている
  • 地球温暖化の原因と言われるCO2年間排出量の10%がアパレル産業によるもの
  • アパレル産業のCO2排出量は2030年までに50%増えると試算されている
  • 安価なファストファッションの裏には過酷な労働環境がある

これらは現在、実際に起きている問題です。

これを読んでどう感じましたか?

私は『おかしい』と思います。どう考えても作りすぎです。体はひとつしかないのに。

だから、そこに作り手として参加するのは辞めようと思いました。

詳しく知りたい方はこちらの本がわかりやすくおすすめです

資本主義に参加するのは難しいです。

以上が私がSUZURIを辞めようと思った理由です。

最初は

  • やりたかったことができた!
  • 売れるって嬉しい!楽しい!
  • お金も稼げる!

と、単純にうれしい気持ちでいました。

でも続けていくうちに深く考え、次第に自分の矛盾に気づきました。

  • 続けることで誰かの役に立つのか?
  • 見えないところで誰かを苦しめていないか?

作る責任と売る責任、考えたうえで『辞める』ことにしました

やはり作る側も自分の納得するものでなければ、続けるのが難しくなる。

でも、世の中にはこういった矛盾の上でお金儲けを優先している企業がいー----っぱいあります。

私は自分の利益のために何かを犠牲にする社会は、やっぱり気持ちよくないので

本当に良い経験をしたと思ったので、次に始める事業の教訓にしたいと思います。

そして、全てが思い通りにいかなくても、常に物事の裏の裏まで考えて、できる限りの答えを探したいと思います。

最後に【いつも応援してくれるみなさまへ】

最も伝えたいのはSUZURIで私の商品を買ってくれた皆様へ。

本当にありがとうございました。

皆様の応援が本当に励みになりました。

これからSUZURIでの販売は辞めますが、購入いただけた商品はぜひ大切に、長く着ていただけると嬉しいです

選択の紆余曲折は皆様に正直に伝えることが正解かはわからないけれど(いやな気持ちになった方がいたら、本当にごめんなさい。)、感謝だけがどうしても伝えたかったことです。

この記事を書いた人
ぐりゆう

1993年生まれ。北海道の田舎に移住。狩猟、家庭菜園、釣りなどでゆるく食料自給をめざしています。

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