キッチンでもっとも身近な使い捨てプラスチック、「食品ラップ」。
食品の鮮度を保ったり、乾燥を防ぐために何でもかんでもラップをしてしまいがちですが、食品ラップは容器包装リサイクル法ではリサイクル容器ではなく「可燃ゴミ」として出すことになっています。(なんと、リサイクルゴミに出せないのです…)
今回はキッチンから使い捨て食品ラップを減らすために(現在はもう買っていません!)、我が家に取り入れたものをご紹介します。
ラップって、思っていたより良いものじゃない
食品ラップは容器の蓋をしたり、食品を包んだり、手を汚さずにおにぎりを握るのにも使えて便利ですよね。何かと「とりあえずラップ」してしまう人は多いのではないでしょうか。
クレラップが運営するクレライフコミュニティによると、20mのラップを月に1〜2本使用する家庭が多いようです。(みなさん結構使ってますね…)
食品用ラップの材質は主に3種類。ポリ塩化ビニリデン(サランラップ、クレラップはこれに当たります。)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンです。
このうちポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニルは焼却時に塩素系ガスが発生するリスクがあります。(いわゆるダイオキシンです。)
また、プラスチックが食品に触れることで発がん性物質が食品に移る可能性も示唆されています。これはラップに限った話ではなくペットボトルも含んだプラスチック製梱包容器全般に言えることです。
我が家で使用している繰り返し使える代用品
シリコンラップ

1つめは、シリコンラップ。
シリコンは、『ケイ素』というものが原料。その「ケイ素」というものは、「ケイ石」から還元して出来たもので、「ケイ石」とは地球上にある砂や石のことです。つまり、地球上に自然にある石を原料としてつくりだされた人工的な化合物がシリコンです。
医療用や赤ちゃんおしゃぶりなどにも使われる安全な素材です。
利点は、熱に強いので電子レンジなどでも使用でき、食洗機でも洗える点。
我が家は丸型のお皿が多いので、丸型のものを使っています。丸い果物や、野菜の断面にも使用することがあります。
丸型の少し使いにくいポイントは、蓋と容器のサイズが合わないとうまく被せるのが難しいのと、レンジで温めるときに空気の膨張により蓋が外れることがある点です。
丸型以外だと平面型もあり、セットになった商品もあります。
シリコンバッグ「Stasher」

2つ目はシリコンバッグ。ジップロックのシリコン版ですね。
元々はジップロックを洗って繰り返し使っていたのですが、洗いにくく袋内部がくっついて内部がしっかり乾燥できなかったり、、など衛生面に問題がありました。もちろん、プラスチック製品なので前述した問題もあります。
私はアメリカ製の「Stasher」を使っています。シリコンオンリーでピチッと蓋ができるので(液漏れもなし!)燻製する際のソミュールにつける過程などで使用しています。
レンジ、湯煎、オーブン、冷凍、食洗機もOKなので使い勝手、衛生面もバッチリ。
ネックなのは価格!こういう調理用や食品保存用のバッグは小分けにしてたくさん使うので、もう少し安くなると嬉しい!
蜜蝋(みつろう)ラップ

蜜蝋(みつろう)ラップは簡単にいうと、ハチが巣を作るときに分泌する蝋(ろう)である蜜蝋をコットン生地に含ませたものです。
蜜蝋は保湿力、抗菌作用があるので食品の保存にも適しています。
しかし、蜜蝋の融点が約62℃と低いので加熱調理には使用することができません。よって、野菜や果物の保管や、常温・冷蔵で食品を包んだり、容器に蓋をすることに使用するのに適しています。
デザインも豊富で使っていても楽しいのが魅力です。
私は昔からサランラップでおにぎりを握っていたのですが、手で握るようにして蜜蝋ラップに包んで持ち運んでいます。
デメリットは包んだ場合中に何が入っているのか見えないこと。冷蔵庫内の保存は特に何が入っているのか忘れがちなので注意!でも、冷蔵庫がカラフルになるのでそれはそれで楽しいです。
使い捨て文化を見直す
高度経済成長期を生きた人間にとって、便利さは科学の賜物だという意見に異論はありません。
しかし、すでになんの不自由もなく便利な時代に生まれた我々にとって、使い捨て文化はそろそろ見直すべきものだと思うのです。
その使い捨てが家庭内で最も多いのがキッチン。身近なところから取り組むと、色んな場所に改善点が見えてきます。
「環境に配慮すること」は我慢することではありません。企業の思惑やマーケティングから一歩離れて、自分の考えで工夫をする。忙しい毎日でも、取り組んで行きたいです。