行者にんにくとは?
行者にんにくとは別名アイヌネギと呼ばれている、にんにくやニラと同じくユリ科ネギ属の多年草です。
春の山菜とりを語るには欠かせません。
北海道から関西にかけて生息しているそうですが、流通しているものは殆どが東北〜北海道産です。
ここ十勝では4月初旬頃から5月の初旬まで収穫することが可能です。
行者にんにくを取りに行く前に知っておきたいこと
どんなところに生えてるか
行者ニンニクは水分の多い土壌を好み、かつ日光の当たるところでよく育つ傾向にあります。
よく生えているのは川沿いの斜面。苔が生えている場所や木の根が露出しているような場所は保水力があるのでよく生えています。

収穫して良いのは?
行者ニンニクをよく見ると、それぞれ葉の枚数が1枚、2枚、3枚と異なっていることがわかります。
1〜2年生が1枚、3年生が2枚、4〜6年生が3枚の葉をつけています。
3枚の葉があるものは花を咲かせ種を作りますから、収穫しないでください。
1枚も生育途中。
2枚のもののみ収穫すること、乱獲はしないことで、減少を続けている天然の行者ニンニクを守る事ができます。
山の恵を頂いていることを忘れないようにしなくてはいけません。

類似植物と行者にんにくの見分け方
行者ニンニクと、形が似ていて毎年のように食中毒者が出ているのがイヌサフラン。
その他にも、スズラン、バイケイソウなども形状が似ており食中毒の例が報告されています。
これらの植物との圧倒的な違いは行者にんにく特有の「にんにく臭」です。切り口の匂いを嗅ぐことで間違いを防ぐ事ができます。
北海道ではだいたい4月の半ば頃が採り時で、雪解けも間もなく行者にんにくは成長が他の植物に比べひと足早いので、他の植物と間違えることがなかなかありません。
しかし時期が4月下旬、5月に入り遅くなってくると他の植物も茂りはじめ、かなり間違い易くなります。一層の注意が必要です。
実際に生えている様子

こちらは川沿いに生えているギョウジャニンニク。まだ、サイズも小さく一枚葉も多かったので手をつけずに進みます。あと1週間もしないうちに収穫に最適サイズになりそうなので、場所を覚えておきます。
日のよく当たっているところでは、かなり大きくなっていました。ちなみに私は葉より茎が好きなタイプなのであまり開ききっていない方が好物です。

2枚葉ルールを守ってナイフで収穫します。

のんびり川を歩いてたくさん収穫できましたー!
自然の空気を吸って、人にも会わず(コロナウィルス回避のため)安全にリフレッシュする事ができました。
こんなに綺麗で楽しくてたくさん学びをくれるところが家の近くにあるのは、田舎暮らしの醍醐味だなぁとしみじみ。
行者にんにくの下処理の方法

ギョウジャニンニクはあく抜きの必要もなく、非常に調理しやすい山菜の1つです。
処理というのも何ですが、我が家では下部の薄皮を剥きます。食べても問題はないのですが、こうすることでキュッとした食感、歯ざわりも良くなります。
行者にんにくのレシピ案 4つ
ギョウジャニンニクはにんにく・ニラのような風味でとても馴染みのある味なので、普段の調理に簡単に活用できます。
ギョウジャニンニクの醤油漬け

- 醤油(歯舞昆布醤油が好みです)
- ごま油
- 輪切り唐辛子
醤油漬けはとっても簡単。サッと茹で、ほうれん草のように葉をギュッと絞ります。
そこに上記の調味料を適当に入れるだけ。
私は日が経って塩辛くなるのが苦手なので醤油は薄口のだし醤油でいつも漬けます。お酒と卵かけご飯のお供に最適です。
行者にんにくチャーハン

味がにんにくなので、中華料理にあうのは間違いありません。いつものチャーハンに刻みギョウジャニンニクを入れるだけです。
ギョウジャニンニクソーセージ
好きすぎてソーセージも自作してみました。
ギョウジャニンニク餃子
噛みそうな名前です。いつもの餃子の具にギョウジャニンニクを刻んで入れましょう。
ギョウジャニンニクの甘みと香りが広がります。
ギョウジャニンニクの天ぷら
山菜は天ぷらが一番美味しいですよね。葉のサクサクと、茎の甘さと香りがたまりません。
終わりに
ギョウジャニンニクは十勝の山菜の中でも一際早い時期に採れる山菜です。
まだ雪の残るうちの山菜採りとなりますので、滑落等には十分に注意して作業をしましょう。
また、来年の春も楽しみです。